MWC 2026に合わせ、楽天シンフォニーは「AIパワードOSSと自律ネットワークの次段階」に関するパネルを開催しました。司会は楽天シンフォニーのコーポレートコミュニケーション部ディレクター、ジェームズ・ダートネル氏です。登壇はアジアタ・グループのグループ・フューチャー・ネットワーク責任者トメク・ゲルジボルグ博士、アジアタ・デジタル・ラボのCOOロウ・ジョン・ウー博士、楽天シンフォニーのOSS事業部社長ヴィベック・ムルティ氏でした。
議論では、自律ネットワークはAIの有無ではなく、AIの知能を実行へ変えるOSS環境を運用者が構築できるかで決まると整理しました。これまでのAI活用が検知や分析にとどまっていたのに対し、次段階ではAIがネットワークのパラメータに直接影響し得るため、周辺の仕組みの要求水準が上がると指摘しました。
そのため、ネットワークをソフトウエアで公開し、オーケストレーションし、調整できる「プログラマビリティ」が不可欠です。サービス管理・オーケストレーション(SMO)層は、知能を実行に結び付ける制御点になるとの見解が示されました。
また、自律運用はモデルだけでは作れず、広く利用可能で構造化されたデータ環境が前提だと強調しました。レガシーと新しいネットワークデータを一貫した形で取り込み、オーケストレーション、保証、復旧を実装しやすくすることで、AIをシステムへ組み込む考えです。
さらにOSSはダッシュボードやコパイロットからエージェントへ移行しており、ムルティ氏は会話型AIを入口としつつ、タスク実行やサブプロセス管理、人的監督のもとでの協調を行う「エージェント型OSS」が重要だと述べました。楽天シンフォニーの「Agent Studio」は、OSS製品とデータ環境の上にエージェントを構築する枠組みとして紹介されました。
一方で課題は技術と信頼だとされ、大規模AI導入のコストや制御・再現性の必要性から、汎用の大規模言語モデルを無差別に適用するより、より焦点化したモデルやモジュール型アーキテクチャが現実的になり得るとしました。ネット運用データは時間感度が高く一時的で汎用環境に不向きで、エージェントが増えるほど優先順位調整や衝突解決による不安定化を避ける新たな調整問題が生じるとも語られました。
ウー博士は、AI搭載OSSは運用チームが信頼して初めてスケールするとし、変更管理、説明可能性、システムが何をしているかと理由を理解できる仕組みが必要だと述べました。運用現場で信頼は前提にできず、プラットフォーム同様に設計して作るべきだという結論でした。
結局、AI単体のブレークスルーではなく、データ、プログラマビリティ、エージェントの枠組み、人の確信を一つの運用システムとして整合させることが鍵で、AIパワードOSSは自律ネットワークを統治可能で使える形にし、商用として成立させる層になると位置付けられました。
参照元:2026/07/09 「AI-Powered OSS and the next phase of Autonomous Networks」 https://symphony.rakuten.com/blog/ai-powered-oss-and-the-next-phase-of-autonomous-networks
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